学生の取材特集

「人々が幸せに生きることができる社会を実現するには ~大阪ガスの取り組みをヒントに考える~」取材先:大阪ガス株式会社

最終更新日時: 2024-06-07 16:55:39
取材先企業分野

温暖化・気候変動 循環型社会 再生可能エネルギー 

大阪ガス株式会社を取材しました

2024年2月22日、2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター5名が大阪ガス株式会社に伺い、同社の環境の取組について取材してきました。今回は、2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーターの小島さん、齋藤さん、高さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。

(以下、寄稿者:2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 小島(主)、齋藤、高)


大阪ガスを取材しました!

ユースサポーターが、2024年2月22日に大阪市にある、大阪ガス「エネルギー技術研究所」を取材させていただきました!

大阪ガスの歴史の説明を聞いている様子

写真1.大阪ガスの歴史の説明を聞いている様子

大阪ガスの取り組んでいる課題

大阪ガスは、カーボンニュートラルを実現するための取り組みを行っている。国連が、気候変動の上昇1.5度安定化を達成するためには、2030年までに温室効果ガスを2019年に比べて43%削減する必要があり、2050年までにゼロエミッションを達成する必要があることを示している。[1] それを踏まえ、大阪ガス含むDigasグループは、気候変動上昇1.5度安定化実現のために、「カーボンニュートラルビジョン」を公表し、2030年までにエネルギーの低・脱炭素化へ移行し、2050年までに技術革新によってカーボンニュートラル[2] を実現することを宣言した。

大阪ガスの事業の説明と質疑応答の様子

写真2.大阪ガスの事業の説明と質疑応答の様子

大阪ガスの開発している技術

大阪ガスは、カーボンニュートラル実現のための計画である「カーボンニュートラルビジョン」に沿って、必要な技術開発を行っている。特に、都市ガス、水素・アンモニア、電気の3つのエネルギーをつくる技術と、その3つのエネルギーをうまく使う技術の研究開発に集中的に取り組んでいる。詳しい詳細を知りたい方は、大阪ガスのグループDaigasグループのホームページ(https://www.daigasgroup.com/rd/)をご覧ください。

大阪ガスの課題解決への姿勢

カーボンニュートラルの実現を目指すことは地球規模の課題であり、大阪ガスという会社単独で取り組んで解決できる問題ではなく、対外的に協力を求めて取り組むべき問題である。そのため、例えば、大阪ガスがメタネーション[3] の技術開発に困ったときには、その必要な技術を提供できる可能性のある企業、大学、行政等と連携し、彼らとメタネーション技術を共同研究・開発することで、カーボンニュートラルの実現という大きな課題の解決に向かって日々取り組んでいる。

私たち個人にできること

私は、環境問題へ意識を向けること自体がそもそも難しいことだと感じる。ユースサポーターをしている私自身、明日自分が生きていくことに必死で、環境問題を考える余裕がないことも多い。そして、環境問題以外にも私たちの暮らす日本では、解決しなければならない社会問題が多く存在する。私は、どのように解決していけばよいのかも分からず、途方に暮れ、出口が見えない暗い世界にいるような気がし、閉塞感を感じる。私は、環境問題に関心のある大人が少なくても致し方ないように感じる。

そこで、カーボンニュートラル実現という大きな課題解決に向けて懸命に取り組む大阪ガスの姿勢が参考になるのではないだろうか。大阪ガスは、自社だけで全てを対応するのではなく、必要とする情報を積極的に開示し、外部と連携することで、少しずつ仲間を増やしながら、大きな課題解決に取り組んでいる。大阪ガスの取り組む姿勢が、社会に山積する問題の解決に取り組む際のヒントになるのではないかと感じる。

人は、家族、友人、パートナー、会社、団体、サークルなど様々な社会的コミュニティーを形成して生活している。そのようにして私たちは日々暮らす中で、わずかに違和感を感じることがあるだろう。例えば、「なんかつらいな、傷ついたな」という思いは、多くの人が経験したことがあるのではないだろうか。自分一人でできることが限られていることを自覚し、そうした違和感を感じたときは、一人で抱え込むのではなく、その自分の違和感をきちんと言語化し、否定せずに受け止めてくれる、周囲にいる信頼できる人に伝えることが、大切ではないだろうか。そして、自分を受け止めてくれる仲間と、その違和感をどうすれば解消できるのかを一緒に考える。そのようにして、その違和感がどこに由来するのかを丁寧に遡っていくと、最終的に社会の構造的な問題にぶつかるのではないか。私は、自分の違和感を大切にすることが、社会問題の解決の契機となるのではないかと考えている。

当然、社会で取り組まなければいけない課題は、カーボンニュートラルの実現だけではない。しかし、カーボンニュートラルの実現に真摯に取り組む大阪ガスの姿勢は、多くの社会問題の解決に通ずるものがあるのではないかと感じた。私たち一人一人の個人が意識的に行えることは、自分自身という一人の人間で実行できることの小ささを自覚し、周囲の信頼できる仲間に助けてもらうことではないのだろうか。私は、社会の構成員である一人一人が自分自身の違和感を大切にすることが、最終的に環境問題を含めた社会全体の問題の包括的な解決につながり、人々が幸せに生きる持続可能な社会を実現できると考えている。

取材に応じてくださった大阪ガス様、本当にありがとうございました!


[1] “New Analysis of National Climate Plans: Insufficient Progress Made, COP28 Must Set Stage for Immediate Action” United Nations (2023)

https://unfccc.int/news/new-analysis-of-national-climate-plans-insufficient-progress-made-cop28-must-set-stage-for-immediate

[2] 大気中へ排出する実質の炭素排出量をゼロにすることをさし、地球温暖化の影響を軽減する取り組みの一つ。

[3] 再生可能エネルギーから作り出した水素と二酸化炭素からメタンを合成する技術であり、大阪ガスがカーボンニュートラルを実現するために開発している技術の一つ。


取材日:2024年2月22日
寄稿者:2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 小島(主)、齋藤、高

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。


ページの先頭へ