学生の取材特集

「手に取るものは環境にやさしいものに」取材先:株式会社セブン-イレブン・ジャパン

最終更新日時: 2024-05-29 10:29:24
取材先企業分野

温暖化・気候変動 循環型社会 

株式会社セブン-イレブン・ジャパンを取材しました

2024年2月5日、2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター4名が株式会社セブン-イレブン・ジャパンに伺い、同社の環境の取組について取材してきました。今回は、2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーターの平田さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。

(以下、寄稿者:2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 平田)


ユースサポーターの4名でセブン-イレブン京都東洞院錦店を訪問し、お話を伺ってきました。多くの人が利用するコンビニにはたくさんの「環境配慮」がありました!

環境問題に対する取り組み:「GREEN CHALLENGE 2050」

株式会社セブン-イレブン・ジャパン様は「GREEN CHALLENGE 2050」で宣言されているように、環境問題に対して①「CO2排出量削減」②「プラスチック対策」③「食品ロス・食品リサイクル対策」④「持続可能な調達」の4つの目標を掲げています。

この中から取材を通して②「プラスチック対策」③「食品ロス・食品リサイクル対策」を重点的に紹介します。

「プラスチック対策」

まず、近年、世界的に課題となっているプラスチックに対する取り組みですが、セブン-イレブン様は以下のようなものを実施されています。

一つ目に、商品の包装と容器には環境に配慮したものを使用することです。例えば、サラダのカップの一部には環境配慮型のPET容器にしていたり、サンドイッチフィルムの一部に紙が使われていたり、商品の品質と環境面を同時に考えた工夫がされていました。また、チルド弁当などに使われている容器は全てインクを抜いた白になっています。これは、インク使用による環境負荷が大きいことから、無色にすることで少しでも環境への影響を小さくしているそうです。さらに、サラダの蓋には、従来の上から被せるタイプのものではなく、薄いシールをめくるトップシール包装が導入されています。この導入により、プラスチック使用量の削減だけでなく、容器の空間内に窒素を充填することができるため商品の鮮度向上に役立ち、食品ロスの削減にもつながっているとお聞きしました。

セブンイレブン店内商品の容器

写真右側:白色で形を統一した容器
インクの環境負荷の低減+配送時のCO2削減と効率を向上
写真左側上段:サラダにトップシール包装を活用

二つ目は、「ボトル to ボトル」の取り組みで、これは私たち消費者が主体的に行う環境配慮行動でもあります。使用済みのペットボトルを店舗前に設置されているペットボトル回収機に入れると、それらがリサイクル加工を経てまたペットボトルとして商品になる流れが作られています。ペットボトルを衣服にリサイクルすることはよく見られますが、そうではなくその後の環境への負担を減らすためにペットボトルとして再利用することに重要性を見出されていました。私はこの機械を見たことがなかったのですが、全国に3,000台以上設置されているようです。2020年から全国でレジ袋の有料化が始まりましたが、実はそのレジ袋代がペットボトル回収機の購入費用に充てられており、リサイクルを広げようする積極的な姿勢を窺うことができました。

100%再生PET樹脂使用ボトル

ラベル下部に「100%再生PET樹脂使用ボトル」と書かれています

「食品ロス・食品リサイクル対策」

セブン-イレブン様は食品ロス・リサイクルに関して、食品廃棄物量を2050年に75%削減することを目標に掲げています。その達成のための取り組みとして、一つ目に「エシカルプロジェクト」があります。これは消費期限の近づいた商品に緑のシールを貼り、それを電子マネーnanacoで購入すればnanacoポイントを5%獲得できるそうです。このように、環境配慮とお得さを合わせた工夫が見られました。この他にも、規格外の野菜や、通常は、使用されない(廃棄となる)部分(ブロッコリーの芯など)を使用するスムージー什器も店舗内に導入されています。また、地元の野菜を消費する地産地消にも力を入れているそうです。例えば、コロナ禍中に余剰となっていた丹波大納言小豆をシュークリームとして手軽に楽しめる商品にすることで、食品ロスの削減に取り組まれています。

二つ目は「てまえどり」で、すぐに食べるなら前から取ることを推進するものです。2022年の流行語大賞に選ばれたほど私たちの生活に浸透したこの言葉ですが、この誕生のきっかけは神戸市とセブン-イレブン様の対話だとお聞きしました。食品ロス問題を抱えていた企業と自治体が互いに協力し、自治体に「手前から取ることで廃棄が減る」ことを伝える役割を担ってもらうことで実現したそうです。神戸市とセブン-イレブン様との取組からはじまり、神戸市だけでなく滋賀県や京都府にまで取り組みが広がり、近畿で始まったことが全国へ普及し、大きなムーブメントにつながりました。今では国・都道府県・市町村との連携が拡大しているようです。この取り組みはコンビニ大手4社で実施、啓発活動として取り上げられていますが、「てまえどり」のポップに企業名が無いことも一つの工夫のポイントになっています。それは、他の企業にもこの運動を推進してもらいたいという思いから、会社のロゴを外して行政の名前のみ記載されているそうです。また、日常的に買い物をする大人だけをターゲットにするのでなく、ポップに親しみやすいキャラクターを使用したり、小学校の環境教育の場面にも登場したりすることで、積極的に「てまえどり」を大人に勧める子どもの姿が見られるというエピソードもお聞きしました。このように幅広い人たちを対象に取り組みを進め、その輪を広げていくことの大切さを学ぶことができました。

コンビニのてまえどりのポップ

「てまえどり」のポップ:自治体によって様々な種類があります!

実際に掲示されているてまえどりのポップ

実際にこのように掲示されていました

取材を終えて

今回の取材では、私たちにとって身近なコンビニでこんなにも多くの環境配慮の工夫が詰め込まれていることを初めて知りました。そのような環境配慮の一つ一つの取り組みに私たちの消費行動が密接に関わっていることを考えると、環境にやさしい商品を積極的に選択したり、ペットボトルを回収機に入れたりと私たちの普段の生活の中から環境に良い行動をすることがその効果を高めるため、そのような主体性がとても重要だと感じました。また、「てまえどり」や「ボトル to ボトル」の取り組みにも見られるように、企業・行政・消費者それぞれが協働することは環境を守るための一歩として欠かせないものだと学びました。


取材日:2024年2月5日
寄稿者:2023年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 平田

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。


ページの先頭へ