学生の取材特集

「 楽しいことしてエコなことができる?-その仕組みとは-」取材先:凸版印刷株式会社・旭化成株式会社

最終更新日時: 2023-01-25 09:17:18
取材先企業分野

循環型社会 京都の文化や暮らしとエコ 

凸版印刷株式会社・旭化成株式会社のコラボによる取組を取材しました

2022年11月14日に国立京都国際会館で開催された「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式・京都環境文化学術フォーラム国際シンポジウムに、2社のコラボによりブース出展された凸版印刷株式会社・旭化成株式会社への取材記事です。今回は、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーターの呉さんと平田さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。

(以下、寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 呉・平田)


「aruku&(あるくと)」アプリと「BLUE Plastics」のコラボ

凸版印刷様のグループ会社である株式会社 ONE COMPATH様が開発したウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」と旭化成様が提供する「BLUE Plastics」を組み合わせた、「人と地球環境の健康を促す取り組み」は、参加する人が歩いて楽しむことと資源循環活動が同時に達成できるというものです。
この仕組みができたきっかけは、リサイクルの重要性を知っていても、回収後どう活用されているのか、リサイクルされた結果を知らない人が多いことからです。取材に応じてくださった旭化成の小西様は、「使用したものがさまざまなものに生まれ変わるというワクワク感を基に、ごみの回収場所まで歩くことで人が健康になり、リサイクルによって地球も健康になれるという社会を作っていきたい」とおっしゃっていました。

多くの人に楽しんでもらうための工夫

市民一人ひとりが楽しみながら資源循環の取り組みを長く続けてほしいという願いと、そのための工夫もお聞きすることができました。
例えば、飲み干したペットボトルを捨てるために「aruku&(あるくと)」ゲーム内の地図上に表示された回収ボックスまで歩きます。歩くことでゲーム内のキャラクターからの依頼(「1時間以内に1000歩あるいて」など)をクリアし、賞品に応募できるカードを得られます。こうして歩いてゲームを楽しみながら、ペットボトルを回収ボックスに入れていきます。
つぎに、ペットボトルを分別して回収ボックスに投入すると、「BLUE Plastics」のアプリ内で、そのペットボトルが、どのようなものに作り変えられるかの流れが見えるようになります。また投入するペットボトルの数でキャラクターを育成するなどの楽しむ工夫もあります。このように、これまで意識していなかった行動を「楽しむ行動」に変えることで、地球に優しい資源循環を続けやすくするのだと話してくださいました。

ペットボトルの投入数を増やせば、切り株に花が咲くそうです(「BLUE Plastics」)

アプリの起動画面(「aruku&(あるくと)」)

周知活動について

「aruku&(あるくと)」アプリは京都府のウォーキングイベントで導入されていたり、企業でも部門対抗で歩数ランキングを競う取り組みに採用されていたりもします。「BLUE Plastics」アプリは東京のファミリーマートの一店舗で実証実験が行われており(2022/11末で終了)、SNSなどでも配信したりするなど周知活動が行われています。また、資源循環を促すサークル「BLUE Plastics Salon」に多くの企業に入ってもらうなど、「一つの企業活動にとどまらず、多くの企業と協力して“共創”していくことが、資源循環型社会の実現には大切だ」と、凸版印刷の兼房様はおっしゃっていました。

環境問題に取り組み始めてからの変化(取材企業より)

地球の環境は変化しています。その変化を受け取り、企業も変化する必要があると思いました。そのためには「マインドのリセット」が必要でした。大きな変化といえば、「仲間作り」が挙げられます。これまでは、企業はそれぞれに事業を行うことが当然でした。つまり、企業はお互い「競争」する関係でした。しかし、環境問題などに取り組み始めてから、企業は「競争」ではなく「共創」をし始めました。お互いに連携し、情報を共有しながら同じ問題に一緒に取り組むようになったことが大きな変化だと思います。(凸版印刷 兼房様)

若者へのメッセージ(取材企業より)

若者の声に耳を傾けることが大事だと思います。殿堂にいらっしゃった方の中でも、驚くくらい環境に詳しい学生さんが多くいらっしゃいました。多くの学生さんが学校などで環境について勉強しており、深い知識を持っていると思います。年齢とは関係なく、豊富な知識、また素晴らしいアイデアを持っている若者と話し合うことが重要です。これから企業は、学生さんと多く話せる場を作る必要があると思います。何かご意見がありましたら、ぜひ皆さんと話したいと思っております。(旭化成 小西様)

取材を終えて

リサイクルしたら、その後何ができているのかについて考えてみたことがなかったため、この仕組みのように目で見てわかるというのはとても効果的な方法だと思いました。リサイクルしなければならないという義務のような意識ではなく、それを楽しみながらすることでより長く続けられるようにするという工夫はとても面白いと感じました。


取材日:2022年11月14日
寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 呉・平田

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。


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