学生の取材特集

「森林の未来を担う」取材先:国際航業株式会社

最終更新日時: 2022-12-20 13:51:16
取材先企業分野

温暖化・気候変動 自然環境・生物多様性 

国際航業株式会社を取材しました

2022年11月14日に国立京都国際会館で開催された「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式・京都環境文化学術フォーラム国際シンポジウムにブース出展された国際航業株式会社への取材記事です。今回は、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーターの綾さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。
(以下、寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 綾)


国際航業とは

国際航業さまは75年にわたって社会資本整備の一翼を担ってきた建設コンサルタント企業です。国際航業のまちづくりに関するノウハウと、国内外における数々のメガソーラー開発実績を活かして、自治体が進める「ゼロカーボンシティ」を目指し、マスタープラン政策やZEB化、エネルギーモニタリングなどを支援しています。

SDGsへの取組

国際航業さまは、2030ビジョンとして「情報をつなげる力で、人・社会・地球の未来をデザインする」を策定しました。そして、地球環境保全、人々の暮らしや地域社会との共生、国土保全・強靭化、災害対策という4つの課題分野に取り組んでいます。

気候変動対策

国際航業さまは、脱炭素社会改革へ積極的に取り組まれています。中でも私が最も興味深いと感じたのは、「波浪計測」サービスです。海洋レーダーは短波帯や超短波帯の電波を利用して、リアルタイムで海象を陸上から計測するものです。沖合から遠く離れた場所、最大100kmまでの海洋表層流、波浪を1時間ごとに陸上から計測可能です。海洋がどのような動きをしているのか、これを計測することで、海洋浮遊ゴミの到達地点を特定することができ、ゴミの回収をすることが可能になります。海洋ゴミを減らしていくことは重要ですが、私はすでに海へと流出してしまったゴミを回収するにはとても良いサービスだと思いました。

診ま森(みまもり)

「診ま森」は、リモートセンシング技術により森を診断し、最適な森づくりをサポートするもので、「森の健康診断・森の健康指導」と呼ばれています。

まず「測る」部分では、リモートセンシングを通して森を上空から、そして横からスキャンし森の健康状態を示すデータを入手します。縦横の計測を行うことで、森林の空間情報を詳細に取得することが可能だそうです。
次に「診る」部分では、樹木の分布や本数など森林の状況を把握します。樹頂点抽出、林相区分図の写真を見せていただいて、色によって木の高さや種類がわかる点が非常に興味深いと感じました。
最後に「活かす」部分では、取得データをもとにそれぞれの地域ごとに活用支援を行います。「地域によってサービスに違いがあるのか」という私たちの質問に対しては、「それぞれの地域の実情を踏まえた上で、森林管理提案をさせていただくため、日本国内でも地域によって大きく差が見られます。」と答えてくださいました。
現在「診ま森」は、日本の多くの自治体様、事業者様はもちろん、海外でも展開されておられます。

ブース展示の様子

森林の未来

国際航業さまは、私たち若い世代に対して、「我々の技術によって森林管理のしやすさを向上させて、森林を継承していきたい」と話をしておられました。林業は古来から存在する職業ですが、近年多くの地域で人材不足が顕著化しているそうです。また、木材の運搬も海外とは異なり、狭い道路で行うために少しずつしか行うことができず、国産木材の価格が高額である要因の1つだそうです。
地球環境保全に必要不可欠な存在である森林。その管理と継承が今後より必要になっていくのだと改めて感じました。

取材を終えて

私たちの世代には、気候変動問題に関心のある方が多くいます。しかし、年代が異なるために、魅力的な取り組みをされていても、同じ問題に取り組んでいる企業さまを知る機会が非常に少ないなと感じました。
取材を通して、気候変動問題、特に脱炭素に対して積極的に取り組まれている国際航業さまの森づくりサービス「診ま森」は次世代にも大きな影響を与えるものだと強く感じました。
そして、そのような素敵な取り組みをされている企業さまの活動を、より沢山の方々に知って頂きたいと思いました。


取材日:2022年11月14日
寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 綾

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。

ページの先頭へ