取材先企業分野 | 温暖化・気候変動 再生可能エネルギー |
---|
ニチコン株式会社を取材しました
2022年10月25日、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター7名がニチコン株式会社の環境の取組について取材しました。今回は、呉さんと吉川さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。
(以下、寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 呉・吉川)
取材場所となったニチコン亀岡株式会社
ニチコン株式会社様の取組
今回、私たちは、亀岡市にあるニチコン亀岡株式会社にて、ニチコン株式会社(本社:京都市中京区烏丸御池上る)の取組を取材しました。
ニチコン様は、コンデンサと蓄電システムを主力製品とされています。近年、ガソリンの価格高騰や、大雨などの災害が増加している中、「対策」を取っていくことが重要視されています。ニチコン様は、脱炭素対策とされる①太陽光発電、②蓄電池、③電気自動車に提供される製品を開発され、環境問題対策に貢献しておられます。
V2Hシステム
V2Hとは、「Vehicle to Home」のことで、「車から家へ」という意味です。V2Hシステムを利用すると、電気自動車などの車(蓄電池)に蓄えた電力を家に供給することや、逆に家から車に「倍速(追加)充電」することもできます。蓄電池は電気を溜める機器ですが、一般的な家庭用の蓄電池とは違い、V2Hシステムは車に家庭用の蓄電池の役割をもたせる機器です。V2Hシステムを通して、電気が電気自動車から家に移動するのです。最近、電気自動車の拡大により、購入を希望する人が増えているようです。V2Hシステムをより多くの顧客に紹介するため、日産や三菱、マツダなど、さまざまな自動車メーカと協力して電気自動車を購入する顧客にV2Hシステムの機器も一緒に提案されています。V2Hシステムを通した電気自動車の充電は(スタンダードモデルもプレミアムモデルも)6kWです。200V・3kW出力の普通充電器に対し、最大約2倍のスピードで充電できます。
V2Hポッド(左)と給電・充電の様子(右)
トライブリッド蓄電池システム
太陽電池、電気自動車の内蔵電池、家庭内の蓄電池の3つの電池を統合制御する「トライブリッドパワコン」という装置を用いたトライブリッド蓄電システムは、災害や停電の際、とても役に立ちます。太陽光で発電した電気を家庭で使用、蓄電するだけでなく、電気自動車を走らせることも可能です。電力を家でつくって家で使う、電力の「家産家消」を目指しています。
自然災害が起こり停電になった場合、太陽電池で発電され、電気自動車や家の中の蓄電池に溜まっていた電気が数秒ですぐ家に供給され電気を使うことができます。
トライブリッドパワコン(左)とV2Hスタンド(右)
パワー・ムーバー
電気自動車などの車の電気を取り出して使え、持ち運ぶことのできる製品です。ハンドルやキャスターがついているため持ち運びに便利で、重さも軽量化が進められ、現在21㎏となっています(パワー・ムーバ-・ライト)。車のトランクに収まるサイズなので、2019年の台風15号時にもパワー・ムーバーにより被災地へと給電が行われました。電気を有効活用できるだけでなく、災害時にも対応可能なシステムであることを実感しました。
パワー・ムーバ-(左)パワー・ムーバ-・ライト(右)と
ニチコン明るい未来館
ニチコン明るい未来館とは、ニチコン亀岡工場の敷地内にあるモデルハウスです。ここでは、屋外にあるV2Hや、トライブリッドパワコン・V2Hスタンドを見学させていただきました。さらに屋内では、模擬的に停電を発生させることで、停電の際にトライブリッド蓄電システムにより給電するデモンストレーションを見せていただきました。停電が起こっても、1~2秒で蓄電システムなどから送られた電気によって部屋が明るくなることを目の当たりにしました。ニチコン様のシステムによって、環境に配慮しながら快適な生活を目指せることが分かりました。
ニチコン明るい未来館を見学する様子
ニチコン明るい未来館
私たちに求められていること
「環境問題に対応するために、私たちができることは何ですか」とお聞きしたところ、ニチコン株式会社広報・IR室副室長 武田様より「環境問題の重要性に気付くことが大切。気付くことができれば、次のアクションへとつながる」というご回答をいただきました。環境問題にいち早く注目し、よりサスティナブルな社会へと繋げられる製品を生み出しておられるニチコン様だからこそのお言葉だと感じました。同時に、より多くの方々が環境に配慮した製品を知ることで、環境問題に気付いてもらえれば、という気持ちを強くしました。
取材を終えて
今回、ニチコン株式会社様の取材を通して改めて環境問題に取り組むことの重要性について考えるようになりました。環境問題に取り組むにあたって、「私1人で変わることはない」と考えるかもしれません。しかし、環境問題は我々が解決しなければない共通の課題です。環境問題の深刻性に気づき、解決に向けて取り組む必要があると思います。
取材日:2022年10月25日
寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 呉・吉川
*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは
京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。