学生の取材特集

「エコに涼をとろう-グリーンカーテン-」(取材先:福知山市立南陵中学校3年生の生徒・先生、エスペック株式会社の土田様、たんたんエナジー株式会社の木原様)

最終更新日時: 2023-01-16 10:49:51
取材先企業分野

温暖化・気候変動 自然環境・生物多様性 

福知山市立南陵中学校を取材しました

2022年7月1日、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター10名が福知山市立南陵中学校に伺い、福知山環境会議とともに実施された、同校のSDGs教育プログラムについて取材しました。取材先は、同校3年生の生徒の皆さん、平野先生、またご講演をされたエスペック株式会社の土田様、たんたんエナジー株式会社の木原様です。今回は、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーターの大島さんと平田さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。

(以下、寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 大島・平田)

グリーンカーテンの取り組み紹介

7月1日、京都府福知山市の南陵中学校にて環境学習として、土田様と木原様による気候変動対策の講義とグリーンカーテンの植え付けが実施されました。

ユースサポーターは、参加した生徒の皆さん、先生方、土田様や木原様にインタビューを行い、グリーンカーテンの植え付けも体験させていただきました。

今回植えた植物はゴーヤで、成長するとつるを伸ばしグリーンカーテンとなります。日射をやわらげ、蒸散作用で湿度を下げるグリーンカーテンは、電源や燃料を必要としない、環境にやさしい空調装置と言えます。家庭でも簡単に導入することができるため、環境に配慮した生活を送りたいという方にはおすすめの取組です。

講演をされる土田様
講演をされる土田様

 

 

 

講演をされる木原様
講演をされる木原様

 

 

 

 

 

生徒の皆さんがグリーンカーテンの植え付けをする様子
生徒の皆さんがグリーンカーテンの植え付けをする様子

生徒の皆さんへの取材

ユースサポーター:小学4年生のときにも体験したと聞きましたが、そのときとの違いは?

生徒:当時は地球温暖化について何も知らないまま取り組んでいましたが、今回は理解して取り組むことができました。その意識の中で気候変動対策に取り組むことは大切だと思いました。また、家庭でも簡単にできるのでやってみたいと思いました。

ユースサポーター:植え付けをしてみて地球温暖化に対する意識は変わりましたか?

生徒:これまで温暖化は自分たちが何をしても変わらないと思っていましたが、グリーンカーテンのような気軽で楽しい取り組みならできそうです。もっと広まってほしいです。

ユースサポーター:植え付けをしてみてどのような感想を持ちましたか?

生徒:燃料の使い方など、生活を改めていきたいと思いました。また、2050年までに温室効果ガス排出ゼロにすることを考えながら生活してみたいです。

生徒の皆さんに取材する様子

 生徒の皆さんに取材する様子

先生への取材

グリーンカーテン授業の感想についてお聞きしました。

ユースサポーター:この活動から生徒に学んでほしいことは何ですか?

平野先生:これまで、授業の中でSDGsのことや地球温暖化について学んできました。今回、気候変動の現状を知ることができたので、自分たちに何ができるのか考えてほしいです。

ユースサポーター:この活動を通じて感じたことは何でしょう?

平野先生:暑いな、としか思っていませんでしたが、こんなにも地球温暖化が進んでいることを実感しました。1人の先生、1人の人間として何ができるのかを考えていきたいです。

先生は、いかに地球温暖化が進んでいるのか、また地球環境のために何ができるのか、それを行動に移すことの重要性を理解したとおっしゃっていました。

先生への取材

3年生学級の担任を持つ平野先生に取材する様子

エスペック株式会社 土田さんへの質問

ユースサポーター:土田さんは、出前講座や講習会など、グリーンカーテン普及のために様々な活動をしてこられましたが、活動のきっかけは何ですか?

土田さん:京都府が活動を推進していたため、有志でやってみようと思いました。忙しいときは、午前と午後で1日2件回って活動しています。

ユースサポーター:コロナ禍での活動はどのようになっていますか?

土田さん:YouTubeを使用して活動を行いましたが、高齢者で視聴が難しい方などがいらっしゃるので、やはり対面で活動する方が良いと思いました。

ユースサポーター:今後活動してみたい地域はありますか?

土田さん:今はコロナ禍で全国を回ることができないため、コロナ禍が明けたら全国を回りたいです。

ユースサポーター:今後生徒に期待することは何ですか?

土田さん:お世話しようとする気持ちを持ちながら、愛情を持って育ててほしいです。

土田さんは個人的にグリーンカーテンの取組をされていたところから始まり、エスペック株式会社でも取り入れられ、どんどん地域の方や全国へとその取組が波及するようになりました。ユースサポーター向けに事前学習会を開いてくださったときにも、「グリーンカーテンは楽しく愛情をもって育てないと続かない」と語っておられたのが印象に残っています。

土田さんに取材する様子

たんたんエナジー株式会社 木原さんへの取材

まず、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減、脱炭素化の実現で注目される再生可能エネルギーについて質問しました。

ユースサポーター:再生可能エネルギーの中で、導入ポテンシャルの高いものは何でしょうか?

木原さん:最もポテンシャルが高い再生可能エネルギーは、風力発電です。日本では設置が遅れていることもあり、普及を進めたいと考えていますが、地域との合意形成が課題になってくると思います。

ユースサポーター:ではその再生可能エネルギーを拡大する秘訣は何ですか?

木原さん:今は企業がCO2削減などの対策をしないと取引をしてもらえない社会に変わってきています。企業の意識が高くなっているので、そこに呼びかけていくことだと思います。

 

温暖化対策には私たちの行動が不可欠です。どのようにその行動を広げていくかをお聞きしました。

ユースサポーター:どうすれば温暖化防止活動は広がりますか?

木原さん:これまでは1人1人の積み重ね、我慢が大事だと思い、幅広く活動してきました。でも、我慢を周りの人に強いても活動は拡大しないと感じています。これからは、社会にあふれている自然の恵みを有効に使っていこうというプラスの面をアピールしていくことが重要ではないでしょうか。

ユースサポーター:地球温暖化の深刻化で温暖化防止活動を始めた人もいますが、まだ行動に移せていない人たちを巻き込むにはどうすればいいでしょうか?

木原さん:まずは関心を持ってもらうことが大切です。気候変動の深刻さだけを伝えるのではなく、今とは違う社会になった方がいいのではないか、という視点で伝えるのが重要です。実際に、エネルギー燃料を輸入して海外にお金を出すよりも、環境に良い社会のために日本に投資する方が望ましいと言えます。また、意識の変化と同時に制度を変えていくことも必要です。脱石油、脱石炭を支援する人の輪を広げていくこともその一つでしょう。

木原さんは、再生可能エネルギーの需要と供給を繋げる仕事をされており、脱炭素化のためにも私たち一人一人の意識や行動が重要になってくると強調されました。

木原さんに取材する様子

取材を終えて

今回の取材から、地球温暖化対策として私たちが簡単に始められる行動もあり、グリーンカーテンのように身近なところから取り組んでいくことがいかに重要なのかを強く実感しました。地球温暖化対策は、大変なことばかりではなく自然の恵みを感じたり楽しい面もあるということを多くの人に知ってもらうことで、環境に対する意識や行動の変化につながるのだということを学びました。脱炭素化や、今までの制度や常識を変えるためにも今回のような取り組みを広げていくことは大きな意義があると思います。

グリーンカーテン

グリーンカーテンの苗が渡り廊下沿いに並べられている様子

取材日:2022年7月1日
寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 大島・平田

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。


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