学生の取材特集

「科学技術で持続可能な社会の実現へ」取材先:株式会社島津製作所

最終更新日時: 2022-10-28 16:22:10
取材先企業名株式会社 島津製作所
取材先企業住所京都市中京区西ノ京桑原町1番地
取材先企業分野

温暖化・気候変動 自然環境・生物多様性 循環型社会 

取材先企業HPhttps://www.shimadzu.co.jp/sustainability/approach/environmental/e-club.html

株式会社島津製作所を取材しました

2022年9月15日、2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター8名が株式会社島津製作所に伺い、同社の環境の取組について取材してきました。今回は、木村さんと吉田さんに、取材の報告として記事を書いていただきました。

(以下、寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 木村・吉田)

環境に配慮した事業実施

島津製作所様は分析・計測機器の製造を中心に医用機器、産業機器、航空機器等も製造されている企業です。「科学技術で社会に貢献する」という社是のもと、最先端技術の開発で社会の発展を支えていらっしゃいます。この技術を駆使し、環境に配慮した製品づくりや事業を行われていました。

気候変動問題への取組

脱炭素社会実現のため、2050年までに事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにするという目標を掲げられています。積極的な再生可能エネルギーの導入や省エネの推進を行われた結果、以前は年間約5万トンだったCO2排出量を、2021年度には約1万8千トンに減らすことに成功されています。

環境性能の高い製品の開発

多岐に亘る分野で様々な製品をつくられている島津製作所様ですが、その全ての製品をエコ化されています。中でも特に環境性能の優れた製品を「エコプロダクツPlus」と認定し、消費電力削減25%以上、小型化25%以上、消耗品使用量削減25%以上等、従来機種と比較し、いずれかの要件を満たす製品を認定しているそうです。性能を改善しながら環境の側面でも向上させる必要があり、この両立に苦心しながらも取り組まれているとのことでした。

島津製作所本社でのインタビューの様子島津製作所様から取組概要を説明いただく様子

IoTを活用したごみの回収システム

工場で発生する廃プラスチック量を自動的に計測し、効率的な運搬を実現するシステムを導入されています。廃プラスチックの集積所の天井にセンサーをつけ、協力工場を含めた国内5ヶ所の事業所の廃棄量をリアルタイムで把握することで、その時々に応じた効率的な回収ルートを選択することができます。このシステムの導入により、企業全体で廃プラスチック運搬時のCO2排出量を2割削減することに繋がったそうです。

集積所のセンサー集積所のセンサー

生物多様性保全活動

島津製作所様の本社・三条工場内には、「島津の森」が整備されています。敷地面積が約8,000㎡のこの島津の森では、フタバアオイやヒオウギといった京都の伝統文化を支える植物の保全や、フジバカマやキクタニギクなどの京都にゆかりのある希少植物の保全・育成が行われており、そのうちフタバアオイ及びフジバカマの保全活動は、京都市のプロジェクトである、「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト」に認定されています。この他にも90種もの地域在来種を中心とした植物が植栽されています。

島津の森「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト」認定の証

2015年には、生物多様性の保全・回復への取組を客観的に評価・認証する制度である、公益財団法人日本生態系協会によるハビタット評価認証において、西日本の製造企業で初となる最高ランクAAA評価を取得されました。現在もAAAランクを維持されています。

島津の森島津の森を視察する様子

島津の森植物についてのQRコードの展示(日本語のほか、英語、中国語版も)

 

取材を終えて

取材を通して、島津製作所様の環境に配慮した取組に対する前向きな姿勢は、社員の方一人ひとりの積極的かつ自主的な取組がベースとなっている印象を強く受けました。部署の垣根を超えたボトムアップな活動の例として、1999年に発足した環境活動チーム「え〜こクラブ」の活躍があるとのこと。職場はもちろん子ども達に向けた環境学習支援や環境に関する出前講座を行うなど、次の世代に対する環境教育に貢献されています。

京都という土地で、いち早く環境問題についてアクションを起こしてきた島津製作所様。これからも自治体、地元住民の人々と地場の企業とが一体となって環境問題に取り組んでいきたいということでした。島津製作所様のホームページでは、問い合わせのフォームが設けられています。島津製作所様の環境問題に対する姿勢に興味を持った方、ご質問やご要望などを寄せてみてはいかがでしょうか。

ユースサポーター島津製作所集合写真取材では環境経営統括室の三ツ松様(前列左から3人目)、阪ノ下様(前列左から4人目)、小森様にご対応いただきました。

 

取材日:2022年9月15日
寄稿者:2022年度WE DO KYOTO!ユースサポーター 木村・吉田

*WE DO KYOTO!ユースサポーターとは

京都府知事から委嘱を受け、京都府とともに環境に関する活動を行う若者のこと。本サイトは、彼らが勉強会や企業取材を通じて得た学びや気づきを発信する場として位置づけています。


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